「ケイマフリ号」から捉えたゴマフアザラシ。@teuri.jp
2026.04.22
焼尻島物語 その14
焼尻島に咲く花 ― えぞにゅう**

焼尻島に咲く花 ― えぞにゅう**
夏が訪れると、焼尻島のあちらこちらに「えぞにゅう」の花が咲き乱れます。
背丈高く伸びた茎の先に、白い花がふわりと広がり、
島の風景をやわらかく包み込みます。
アイヌ語では、食用や薬用になる草花を総称して「にゅう」と呼びました。
島の人たちはこの花を「にお」と呼んできましたが、
これはアイヌ語の「にゅう」がなまったものではないか、という説が一般的です。
一方、日本の東北や北陸には、
草木がしなやかに垂れ下がる様子や、花が豊かに茂る様を
「にゅう」「にょう」「にょい」「ずい」などと呼ぶ地域があります。
「蕤(にゅう・ずい)」という字があてられ、
地名や苗字にも用いられてきました。
なかには「にお」と読む地域もわずかながら存在します。
焼尻島には、かつて東北や北陸から渡ってきた人々も多く暮らしました。
もしかすると、この「にお」という響きも、
人々の移動とともに海を越えてきたのかもしれません。
磯野 直
- 民泊じいじの家オーナー
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かつて旅館「磯野屋」を営んでいた磯野直さんは、現在「民泊じいじの家」を開いて島の暮らしを伝えています。
WEBマガジンでは、ありのままの焼尻島の自然や日常を、飾らない言葉で発信中。
島を愛する「じいじ」のまなざしを、どうぞお楽しみください。